任意整理とは?意味ない、しないほうがいい?やばい?デメリットを解説

任意整理は、国が認めた借金減額制度=債務整理の中でも最も利用者の多い手続きで、メリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。

「任意整理」と検索すると、検索予測キーワードに「しても意味ない」「しないほうがいい」と出てくることがあります。それはなぜなのか、任意整理の特徴やデメリットについて解説します。

次のような疑問を持つ方はぜひ参考にしてくださいね。

  • 任意整理しなければよかった、と後悔している人はいる?
  • 任意整理ってしないほうがいいの?任意整理をした方がいい人の特徴は?
  • 任意整理をすると人生終わりだと聞いた。デメリットはなに?

それでは詳しく見ていきましょう。

任意整理とは?どんな特徴を持つ手続きなの?わかりやすく解説

まず、任意整理とは何かについて、わかりやすく解説します。

任意整理は、債権者との交渉によって将来利息のカットや返済期間の猶予を認めてもらい、和解する手続きです。

個人再生や自己破産など他の債務整理のように裁判所を介さず、あくまで任意で解決するのが特徴です。他にも、対象の借入先を選べる、手続きが簡単で時間がかからない、費用が安いなどは任意整理の特徴であり、メリットでもあります。

対象の借入先を選べるので、住宅ローンや保証人付きの借金を外すことができます。また、裁判所を介さないので書類作成などがなく、専門家に依頼すれば手続きは簡単です。費用も1社あたり3~5万円+減額報酬なので他の手続きに比べて安いです。

任意整理のデメリットは?しても意味ない、しない方がいいと言われる理由

借金返済の負担を軽減できる任意整理ですが、次のような5つのデメリットがあります。

  • 交渉に応じてくれない債権者もいる
  • 減額効果が低い
  • 強制執行による差し押さえを阻止できない
  • 銀行系カードローンは口座を凍結される
  • ブラックリストに載る

各項目詳しく見ていきましょう。

任意整理の交渉に応じてくれない債権者もいる

任意整理の交渉に応じるかどうかは債権者の自由なので、応じてくれないと任意整理は成立しません。

小規模の業者は会社の方針で応じてくれないことがあります。2回目の債務整理の場合や、借入してから一度も返済していない場合なども応じてくれない可能性が高いです。

他の債務整理と比べて任意整理は減額効果が低い

任意整理では元金をカットすることはできないので、他の債務整理に比べると減額効果は低いです。

過払い金が発生していた場合を除き、大幅な減額はできません。減額された借金は3~5年で返済していく必要があるので、きちんと返済できるかシミュレーションしておくことが大切です。

任意整理では強制執行による差し押さえを阻止できない

裁判所を介す他の債務整理では、裁判官の許可が下りれば差し押さえを阻止できますが、任意整理にその力はありません。

差し押さえでは、家や車、給与、預金口座など、一定の財産が処分されます。ただし滞納してすぐ差し押さえということはなく、督促状が届いたり一括返済を請求されたりという段階を経て行われます。

銀行系カードローンは任意整理をすると口座を凍結される

銀行系カードローンを任意整理する場合は、預金口座を凍結される可能性が高いです。

給与振込や光熱費の引き落としなどに使っている口座の場合、凍結されると生活への支障が懸念されるので、その銀行は外して手続きするなどの対策が必要です。

任意整理をするとブラックリストに載る

任意整理をすると約5年間、個人信用情報機関に登録されブラックリストに載った状態になります。

ブラック状態になると、次のような影響が出ます。

  • 新たな借入ができない
  • クレジットカードの利用や新規作成ができない
  • ローンが組めない
  • 分割払いができない
  • 連帯保証人になれない
  • 家賃保証会社を介している場合、賃貸契約時に審査に通らないかもしれない
  • 一定期間、銀行口座を凍結されてしまう可能性がある

だたし、任意整理の手続きで過払い金が発生していることが分かり、過払い金請求をして借金を完済できた場合は、ブラックリストに載りません。

ブラックリストに載っている間は、クレジットやカードやローンの審査に通りません。今使っているクレジットカードは矯正解約になります。また、スマホの機種代の分割払いができなくなったり、子どもの奨学金の連帯保証人になれなかったりもします。

また、銀行からの借り入れに対して任意整理をした場合、その銀行の口座を一定期間凍結し、口座残高から借金を回収しようとしてくる可能性があります。

任意整理した方がいいケースと、しない方がいいケース

任意整理には向き不向きがありますが、まとめると次のようになります。

任意整理した方がよいケース 任意整理しない方がよいケース
・借金が多額ではない人(200万円までの借金におすすめ)
 ・対象の借入先を選びたい人(守りたい財産がある、保証人に迷惑をかけたくないなど)
・借金が多額または少額すぎる人
  ・低金利の借金(住宅ローンやカーロ―ンなど)
  ・ブラックリストに載ると生活に影響がある人

借金が多額で、借金地獄や借金まみれの状態に陥っている場合、任意整理で将来利息をカットしても返済していくのは難しく、個人再生や自己破産の方が適していることが多いです。

借金はいくらからやばいのかは人ぞれぞれ違いますが、一般的に借金100万円や年収の3分の1以上の借金はやばいと言われています。

借金総額が大きいと、任意整理で返済できる金額まで減らすのは困難です。一般的に200万円程度までの方が任意整理に向いており、それ以上の方は個人再生や自己破産の方が向いている場合が多いです。

また、低金利の借金は任意整理してもさほど効果が得られず、任意整理にかかる費用の方が高くなってしまうことがあります。

ローンを組む予定がある、個人事業主で借入ができなくなると困るなど、ブラックリストに載ることで影響が出る人も任意整理しない方がよいでしょう。

任意整理の実際の流れと手続きのポイント

任意整理の手続きは、以下のような流れで進められます。

  1. 債権者との交渉: 債務者自身または代理人が債権者と交渉を行います。
  2. 和解契約の締結: 交渉によって合意に至った場合、和解契約を締結します。
  3. 返済計画の策定: 和解に基づいた返済計画を立て、実行に移します。

この過程で専門家の支援を得ることが重要であり、手続きの正確性とスムーズな進行を確保するためにも、弁護士や司法書士の利用を検討するべきです。

任意整理に必要な書類

任意整理を行う際には以下の書類が必要になります。

  • 身分証明書
  • 借入明細書
  • 収入証明書
  • 資産状況を示す書類

これらの書類は、債権者との交渉において債務状況を正確に把握し、適切な交渉を行うために必要です。

任意整理の成功事例と失敗事例

任意整理はケースによって結果が大きく異なります。以下に成功事例と失敗事例を挙げ、その理由を分析します。

成功事例

成功事例では、債務者が返済計画を守り、債権者との良好な関係を維持したケースが多いです。適切な交渉により、返済負担を大幅に軽減できた例があります。

失敗事例

一方、失敗事例では、債務者が返済計画を守らなかったり、債権者との交渉がうまくいかなかったりするケースが見受けられます。これらの事例から、任意整理のプロセスを理解し、計画的に進めることの重要性が伺えます。

任意整理後の生活と再建のためのアドバイス

任意整理後の生活は、多くの場合、経済的な自由度が制限されます。以下に再建のためのアドバイスを紹介します。

  • 予算管理: 限られた収入の中で効率的に生活費を管理することが重要です。
  • 返済計画の見直し: 返済が困難になった場合は、早期に専門家に相談し、計画を見直す必要があります。
  • 収入増加の努力: 副業や資格取得など、収入を増やすための努力も重要です。

任意整理した方がいい?と検討している人は、まずは弁護士に相談しよう

任意整理は自分で手続きすることもできますが、スムーズに行うには弁護士に依頼するのが一番です。借金の相談なら無料で行っている弁護士事務所も多いので、気軽に利用してみましょう。

債務整理でおすすめの弁護士事務所の多くは、「借金減額シミュレーター」を提供しているので、ぜひ利用してみてください。

借金減額シミュレターは、「借金を減額できるかどうか」「いくら減額できるか」「過払い金が発生しているか」などを無料で診断できるWebサービスです。

収入が少なく、相談や手続きに費用がかかることが不安な人は、法テラスを利用できる可能性もあります。

法テラスとは、経済的に苦しい方でも法的サービスを受けられるようにと、法的トラブルの無料相談や債務整理費用の立て替えを行っている組織です。

弁護士事務所へ相談に行き、法テラスを利用できるか聞くこともできるので一度相談に行き、借金問題の早期解決を目指しましょう。